自分をよく知っておくということ
例えば、私は人前で話すのが全く得意でなく、何かを発表したり懇親会に出たりする、という時間の前にはお腹を壊してトイレにこもっている。
また、ステージの上にいきなり立つことになり、途方に暮れている夢をよく見る。
とにかく苦手で仕方ないのだ。
昔は、私も大人になればそうしたことをこなせるし、むしろ楽しんでできるようになるのではないかという淡い期待を抱いていた。しかし、それなりに場数を踏んだにもかかわらずそれは勘違いだったとのちにわかった。
苦手だけど、すごく頑張ればできなくはないことをやり続けると精神がどんどんすり減っていって、ある日ベッドから起き上がれなくなってしまう。
得意ではないけど、好きだったり憧れていたりすることも同じだ。好きなのに、どうしていつまでも上達しないのだろう。好きなのに、どうしてベストを尽くせないのだろう。それはやっぱり、全然得意でないことを頑張り続けることはできないからだと思う。周りに、好きで得意な人がたくさん居れば、なおのこと追い詰められてしまう。
最近は、自分の得意ではないことをだんだん諦める勇気が出てきたように思える。ここまで時間をかけないと決心できなかったのかと考えると少しつらいが、自分を納得させるためには必要な時間だった。